血管外科では診断(生理学的検査,血管造影検査等)をはじめに、薬物療法や運動療法などの内科的治療から、血管内治療、バイパス手術、ステントグラフト挿入術など外科的治療も駆使し、包括的な管理をおこないます。
主な症状
足の血色が悪かったり、指先にチアノーゼ(青紫色)がみられる。足の冷えが強い。
足の指やかかとに潰瘍がある。
歩くと、しばらくして足がだるく痛くなり、ひきずって歩いたり、歩けなくなったりするが、しばらく休むとまた歩ける。
脚の動脈が、動脈硬化によって狭くなっているか、閉塞してしまっている可能性があります。
症状が動脈疾患によるものか専門的な診察を受け、早期の治療方針を立て、その症状に合わせて外科治療だけでなく、薬物治療や運動療法など、個々に患者さんにあった治療を行うことが大切です。
動脈硬化は全身の疾患であり、脳や心臓、腎臓といった動脈も狭くなっている可能性があります。また動脈硬化の危険因子である、コレステロールや高血圧症などの管理も行った方が良いでしょう。
歩き始めは特に症状ないが、数百メートル歩くと(あしの筋肉に十分な血液が供給されないことで)脚のふくらはぎや太ももがだるくなったり痛くなって、脚をひきずって歩く(跛行)ようになったり歩けなくなったりするが、しばらく休むとまた歩けるような症状は間歇性跛行の疑いがあります。
治療:脚の症状があれば、基本的には狭くなった動脈をカテーテルで広げたり、人工血管などを使ってバイパス手術を行います。
診察:皮膚の色調、温度差を観察して、末梢動脈の拍動を診察します。
脈波検査:手と脚の血圧を同時に測定し、血管年齢を測る検査を行います。
通常、脚の血圧は上腕の血圧に比べて10~20mmHgは高くなりますが、脚の動脈に狭くなっていたり閉塞していると脚の血圧が下がってしまいます。
頸動脈エコー検査:脳梗塞の原因となる頸動脈に高度動脈硬化所見がないかを観察します。
下肢閉塞動脈硬化症
下肢の主幹動脈(大きな動脈)に動脈硬化が起こり、内腔の狭窄や閉塞を来たし、末梢側に種々の虚血症状を呈する疾患です。閉塞性動脈硬化症は、全身の動脈硬化症の一部症であり、心臓や脳の動脈硬化を合併していることが多いとされています。